「怒りは自分に盛る毒」

……というのはネイティブ・アメリカンの名言だ。
アメリカは入植する際に、原住民のインディアンを殺戮している。

台風20号、21号が温帯低気圧に変わって、天皇陛下がご即位されて(と書くことに物凄い違和感を覚える)、秋川の氾濫からずっと降り続いていた雨は止んで。
だからといって忘れ去っていいはずもなく。
ラグビーワールドカップが盛り上がっているのは良いことだ。良いことなのだ。騎士道精神すら感じる選手の言動と、だけど、中世からずっと繰り返されて来たパンとサーカスを見ているような居心地の悪さを、どうやって折り合いをつければいいのか、分からなくなる。
こんな時代だからこそ、なのか、どんな時代だったとしても、なのか、明るい言葉には希望がある。
明るい言葉しか言うことを許されない世界は地獄だ。
怒りを怒りのまま書き散らしても良いことなんて一つも無いと解っていて、だからなんとしても、淡々と、感じたことを記録しようとつとめている。それでも読み返すと「ああ、これは酷い」と目を覆いたくなる。
即位の日に、空に虹が掛かったことを、素直に「神々しい」と思えたら、幸せだったのだろうか。
たぶん、20代の頃だったならはしゃいでお祝いできた。上野で一度だけ、現上皇・上皇后ご夫妻をお見かけしたことがあるのだけれど、あまりにもお人柄の良さそうな微笑みに、自然と背筋が伸びた。あの時に抱いた畏敬の念はずっと消えないと思う。だから将来、また頭を垂れる日も来るのかもしれない。
今は無理だ。
入管法改正と同時に、日本人が単一民族だという「神話」を国民全員で確認する矛盾が私は怖い。
それは自分がDNA検査をして、祖父も祖父母も曾祖父母も日本人だけれど、ルーツを辿ればシベリアに辿り着くと知ったからなのか、ドイツ人ジャーナリスト、キド・クノップが取材した『世界王室物語』を読んで、期せず自国の皇室事情を垣間見てしまったからなのか、7月の参議院選挙から、昨今の左右の対立への疑問を解消したく、中東のシリアやイスラエル、ドイツ、靖国の歴史を改めてさらったからなのか、その全てなのか、そのどれでもないただの違和感なのか。
違和感は世界へよりも自分に向いている。
体が異物になったような感覚がするのだ。弾き飛ばされないようにしがみつくべきなのか、どこへでも飛んでいけるように足元を軽くするべきなのか。

メタセコイアの並木が綺麗だと畏友に写真を送った。
鮮やかな黄色は、生態系を荒らすと評判のセイタカアワダチソウだと思うと奇妙な気持ちだと言うと、こういった空き地ではススキと熾烈な勢力争いが繰り広げられているよと返事が来た。
その時とっさに「ススキに頑張って欲しいな」と感じたことで、ああそうか、私も日本人なのだなぁ、と思う。
日本人なんて、勝手な括りだよなぁとも思う。
セイタカアワダチソウだって生きたいだろうに(というか凄まじい勢いで生きてるけど)
家に帰ったら、花を咲かせたスウェーデン・アイビーとヒポエステスを、謝りながら摘んでいった。挿し芽でさえ恐ろしい勢いで増えるこの子たちを放っておいたら、来年は、ヒメツルニチソウを見られなくなるかもしれないと怖くなった。
あらゆる分断は「自分の」領域を侵食されるかもしれないという恐怖から生まれるという至言を読んで、「自分の」領域ってなんなのだろうと懊悩する。
今ここに立っていることは奇跡だ。
そのことへの感謝を忘れないでいたい。

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

関連記事

  1. SEO本位の記事を書くのをやめた。楽しい。読むのも楽しい。

  2. 秋川の氾濫。報道されない「災害」は、存在していないとでもいうのか。

  3. 140字では書けないこと。

  4. 「表現の不自由展・その後」の感想。秋川渓谷から、あいちトリエンナーレへ…

  5. セルフ・ブランディングには懐疑的だけれど、自分にラベリングはしていきた…

  6. 9/17追記:ヤモリの冬眠。また来年会えますように。

  7. 【埼玉】美の山(蓑山)日帰り登山~桜の名所・春の草花レポート~羊山公園…

  8. 会えないインターネットに意味はない。

Work

気合入れて書いたよ

ありがとう!

Archive

PAGE TOP