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菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。

啓蟄も末候となり、ようやく体感的にもあたたかくなってきましたね。
さて、旧暦七十二候では、今日から5日間は「菜虫化蝶」(なむしちょうとなる)という季節です。さなぎが蝶に羽化する頃という意味で、紅龍堂の周りでもよくモンシロチョウやヤマトシジミを見かけるようになりました……
と書きながらふと、最近、ツイッターでも植物や昆虫の話を多くしていることに気づきました。春めいて生き物が増えたからというのもありますが、『王の庭師』の影響も大きいです。私は職業柄、小説よりもノンフィクションや専門書を読む機会が圧倒的に多いのですが、『王の庭師』は小説でありながら、知らないことがたくさん書かれているので面白いです。私が翻訳しているのはヴィッセン語版ですが、舞台はアーレンベルク公国で、森林職人のスタイル一つ取っても日本とは全く異なるので勉強になります。翻訳する側も気合が入ります。
……あまり話すとネタバレになってしまうのでこの辺りでやめますね(苦笑)

翻訳で思い出しましたが、昔の人は蝶のことを「夢虫」や「夢見鳥」と呼んでいました。
由来は荘子の『胡蝶の夢』。

「不知周之夢為胡蝶与 胡蝶之夢為周与」
(夢の中で蝶なのか、蝶の夢の中なのか……)

荘子『胡蝶の夢』

有名な説話ですから釈迦に説法でしたら恐縮です。
「夢で私は蝶になっていたが、実は蝶が夢を見ていて、その夢の中で人の姿をしているだけではないのか」というストーリー。荘子の思想を鑑みれば、「しかしそんなことは、どちらでもよいのだ」と帰着しそうです。
夢で見た蝶も、蝶が見た自分も、いずれも自分。
美醜や貴賤など二元論で語られるものは全て、人間の「知」が生み出した結果であり、「そんなものは見せかけに過ぎない」と荘子は語ります。
興味深いのは、荘子が生きた時代は紀元前3世紀頃なのですよね。
一方、中国では、春秋戦国時代には暦として二十四節気が導入されていました。以前もお話しました通り、二十四節気の基礎となる陰陽五行思想では、万物には「相反する二局面があり」、その繁栄を相互に繰り返すと考えます。

つまり当時にしてみれば、時間の流れから超越した思想なのですよね。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。とっても嬉しいです。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。

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