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業務日誌をつけること

「どんなに痛烈な、どぎつい問題を漫画で訴えてもいいのだが、基本的人権だけは、だんじて茶化してはならない。戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと。特定の職業を見くだすようなこと。民族や、国民、そして大衆をばかにするようなこと」

手塚治虫『マンガの描き方』手塚プロダクション

こんにちは、紅龍堂書店の久利生杏奈です。

テスラのイーロン・マスク氏がTwitterを買収したニュースを受けて、初心に立ち返るような気持ちでブログに向かっています。言論プラットフォームを他者に委ねると、ある日突然閉鎖されたり、理不尽なルールを課されたり、ユーザー層ががらっと変わって立ちゆかなくなる可能性もありうると。
自サイトで発信する以上は、文字通りホームですからある程度安心して書くことができます。
元よりそのためにWordPressで作った場だったのですが、最近はすっかりご無沙汰になってしまっていたと少し反省しました。

ある日突然言論プラットフォームが閉鎖される――ほんの少し前までならば、それこそ買収や倒産を例に挙げたと思うのですが、直近で思い出すのはロシア。2月24日のウクライナ侵攻以降、国際社会から様々な制裁を受けていて、その中にはSNSの利用禁止も含まれます。アップル、グーグル、ツイッター、フェイスブック……この二ヶ月、「当然だ」という論調も多かったのですが(私自身、制裁自体は必要と考える立場なのですが)、一方で言論プラットフォームへの弾圧は、戦争を始めたプーチン政権にこそ資するという側面も忘れずにいたいです。モスクワでは反戦のプラカードを掲げただけで次々に民間人が逮捕されていて、「戦争」という言葉さえ自由に使えない状況で、この上オンラインですら発言できる場所が無いとなれば、どうやって戦争を止めればいいのだろう……とは、島国でもふとした折に考えこんで、答えのない中で迷い続けています。

戦時下に限らずいつでも、あらゆる「制約」はこの身にも降りかかりうると忘れずにいたいです。
参院選も近いですし。
身近な所では既に洒落にならない円安が進んでいて、Twitterが月額3ドルの課金に踏み切った場合、日本でだけ600円、700円と利用料が跳ね上がっていく未来は否定できませんよね。iPhoneなどは既に超高額品になっていますし。円が75円ならば6万円で買える端末が、今は10万円以上する(6万円でも高額端末ですけどね)
……と書きながら、端末が高騰するくらい、ウクライナの前線で犯されたり死んでいる人に比べたら、と考えてしまって、それを悩んだ末に、こうして記録する自分に辟易します。洗濯物を干しているとき、料理しているとき、ふっとした隙間に戦争は忍び寄るのですね。思いを馳せる、なんていう綺麗で上品な情動とは全然違って、ただただ、出口の無い暗澹とした思索に絡め取られていく。だからといって意識の外に閉め出すなんて器用な真似もできないし、すべきかも解らないしで。少なくとも出版に携わる以上は。

業務日誌を書こう、と思い立ったから、書いていきます。

140字が戦時利用されるのを横目に見ながら、140字の文章自体は、必ずしも悪いものだとは思っていません。系統はまるで違いますが、短歌は31文字ですし。
「文脈が読めない若者が増えている」という苦言もよく耳にしますが、断片的な情報をつなぎ合わせて俯瞰的な視野を得ることに長けた人が出てきているのも実際だと感じています。
もっとも、「俯瞰的」の内実は深い洞察から陰謀論まで様々です。
そうした玉石混交も含めて、面白いと断じるイーロン・マスク氏は、よく言えば懐が広くて豪胆ですし、悪く言えば雑です。
人権侵害の歴史は、いつも雑な人に繊細な人が踏みつけられる構図なので、ヘイトスピーチや性加害を「自由」とする論調には、改めて警鐘を鳴らし続けたいです。

まずは今日、ぼんやりと思ったことを書き留めるところから。

一月以降、水面下で準備し続けてきたことがようやくお披露目できそうなので、それについても明日から少しずつ書いていきます。本当に少しずつ。無理をすると苦しくなるし、やめたいと思ったら躊躇わず休みます。
人なんていつ死ぬかわからないから。コロナでなくても。戦争でなくても。

あなたは元気ですか。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。

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