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一夜文庫さんのZINE『一箱古本市に出店する方法』が熱い。熱いです。

ZINEについては「素人の方が趣味で制作した出版物」くらいの認識しかなくて、恥ずかしながらつい先日まで一般書店でも取り扱いがあるということさえ知らなかったのですが、そんな中、一箱古本市で知り合った店主さんたちの頒布物を拝読して戦慄しています。
とりわけ驚いたのが一夜文庫さんの『一箱古本市に出店する方法』。

社交辞令ではなく手に取って脱帽しました。凄いです。
以下はご紹介というか、半ばもう備忘録で恐縮です。業務日誌としても、自分の勉強のために要点をまとめたくなりました。乱文ご容赦くださいませ。

装丁

まず「装丁」に目を見開きました、こんな方法があるのかと。
本の装丁と言えば真っ先に表紙を思い浮かべますが、ZINEは薄いですし、コピー用紙に表紙も無いものかしらと思い込んでいたら、なんと封筒に入っていた。
それも夏らしい便箋に、小ぶりの団扇が添えられて。
マスキングテープの封緘にまでこだわり抜かれた世界観が感じられて、何より驚いたのはスタッフの分と二通頂いたのですが、それぞれ柄が違っていたこと。
えっ、もしかして一点物……? このワンセットでパッケージ?? と驚愕して確認させて頂いたところ、団扇は、以前お裾分けさせて頂いた夏野菜の苗への返礼品だそうで、そうしたお気遣いにも頭が下がりました。
※通常、一箱古本市で頒布されている『一箱古本市に出店する方法』は冊子のみの状態ですが、一夜文庫さんのブースで本をお買い上げ頂いた方は、一夜文庫さんのロゴが印字された、オリジナルの紙製コースター(二色)のうち、お好きなほうを選んでお持ち帰り頂けます。トルコのモザイク柄やイスラム圏のアラベスク模様がお好きな方はお気に召しそうなデザインで、私はとても好きです

そもそも一夜文庫さんがセンスの良い方だというのはTwitterに流れてくる写真の構図、出店ブースのキュレーションなどからも存じ上げていたのですが、「本を手に取る瞬間から開くまでの流れを演出する」という鮮やかさに唸りました。

内容自体は先に電子原稿を拝読して知っていたので(でも紙で頂いたものは大幅加筆されていてそれも驚いたのですが。こちらは後述します)、
紅龍堂の店舗でもお取り扱いさせて頂ければと、見本紙をDMでお願いした折、気づけば業務を忘れて、一読者として心から楽しんでいる自分がいました。実は急性扁桃炎で寝込んでいた時だったのですが、おかげさまで凄く元気を頂いて。復調のきっかけになりました。
素敵な物語をありがとうございました。本当に幸せな時間でした。

内容

一箱古本市に出店したい・悩んでいる人はこの一冊を読めば充分です。全12頁の中に必要なエッセンスがギュッと詰まっています。
勿論、読んでからは各自で創意工夫が必要で、そこは店作り・棚作りの修練をしていく必要があるのですが(舐めてかかると痛い目を見る、ということにもきちんと言及されています)、最初に何をすればいいか分からなくて躓きそうになる人への手の差し伸べ方が凄いです。
この人何本手が生えてるんだろうってびっくりします。いや二本ですが。
ちなみに目次にするとこんな感じです(こちらも許可を頂いて掲載させて頂きますね)

  • 一箱古本市ってなあに?
    ・概要
    ・メリット
    ・デメリット
  • 一箱古本市に出てみよう
    ・屋号を考える(寄せたいテイストを決める、ネット検索して他店と被ってないかの確認をするなど、ここだけでも微に入り細を穿って一頁割かれています。本当に痒いところまで手が届いてる)
    ・Twitterアカウントの作成
    ・「一箱古本市」情報の検索&申し込み(こうやって出店場所を決めていたのか! と目から鱗)
    ・ロゴの作成
    ・フォローアップ:どうしてもSNSができない人へ(やさしい)
  • 一箱古本市の出店に必要なもの
    ・スリップ(一般的な物の作り方から、より便利で楽しい物への創意工夫まで)
    ・値段の付け方
    ・釣り銭(何をどれくらい用意すればいいか、計算方法に納得)
    ・ビニールシート(敷くだけじゃない……!)
    ・本を運ぶためのキャリーケース・リュック(「本は今アナタが想像する3倍重いです!!!」に声を立てて笑いました)
    ・あると便利なもの(こだわりが凄い)
    ・なくてもいいけど、あると楽しいもの(こだわりが凄い!)
  • 一箱古本市、接客はどうすればいい?
    (個人的にはここの項目が一番感銘を受けました。ケーススタディが物凄く充実しています。例えば急に許可無く撮影してくる方や、高い・品数が少ない・新刊がいいなど理不尽なクレームを入れてくる方への切り返しなど、実際に出店した人でなければまず見えてこない赤裸々な事情が丁寧に、何より勇気づけるように書かれています。読者への寄り添いが感じられてあたたかいです)
  • 一箱古本市、出したいけど売りたくない本がある時は……
    ・仕入れ方法
    ・古物商許可について(法律についてまで言及されていて誠実かつ安心)

文体

いやもう贔屓目なしにめちゃくちゃ読みやすいです。
正直、ごめんなさい、素人の方の書き物は私は読み苦しくて断念してしまうことも多いのですが、さらっとなんの違和感もなく、一息に最後まで読まされてしまいます。
要点が絞られて明快、あふれんばかりの一夜文庫節、ユーモアに笑いながら読み進めて、最後は細やかさに居住まいを正しました。
特に電子版からの加筆修正部分、接客の下りで、冗談でも大袈裟でもなく泣きそ……い、いえべつに、私のために書かれたものではないのでしょうが! それにしても、顔や個人情報が流出しては困るであったり、思い当たる節が多すぎて(そしてそういう方は今の時代、決して少なくないと思うのです)、不測の事態を先んじて潰して頂けたことが本当に有り難くて……感謝してもしきれないです。

総じて、こんな冊子を無料で頂いてしまっていいのかという後ろ暗さが今さら凄いのですが……
大切に、丁寧にお取り扱いさせて頂きますね。
尚、前記の通り、こちらのZINEは通常は、一夜文庫さんが出店されている一箱古本市のブースで頒布されています。
そして今後は、紅龍堂の店舗にも置かせて頂く予定です。
(紅龍堂の店舗については、この二ヶ月の間にだいぶ工事が進んで、そろそろ関係者の方はお招きできるかな……という段階。オープンはもう少し先になりそうなのですが)

最後まで読んで頂いてありがとうございます。とても嬉しいです。
紅龍堂はもちろん、ぜひ一箱古本市にも! 今はコロナで難しい時期ですが、きっと笑顔で、遊びにいらしてくださいね。

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