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『100日後に死ぬワニ』、凄まじいものを読みました。

こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。

昨日、結末を読んでボロボロ泣きました。
恥ずかしながら、100日目の昨日にして友人から詳細を聞くまで、一種のネタ漫画なのでしょうかと思い込んで食指が動いていませんでした。
100日間、ツイッター上で連載されていた四コマ漫画があります。
タイトルは『100日後に死ぬワニ』
フルカラーで毎日書き続けるというだけでもどれだけ大変か想像に難くないのですが、内容――もさることながら、日本中を巻き込んで人間の本質を浮き彫りにした「在り方」が凄まじかったです。
生々しい話ですが、読者は100日後に「死ぬ」ワニをどこか期待して読むわけですよね。昨日のタイムラインだけ眺めていても、更新予定時刻の1分前までは「ワニくん死なないで」と言っていた誰かが、更新予定時刻を1分過ぎたとたん「はよ死ねや」と態度を豹変させる。そんな場面も散見されました。
私自身、読み終えた直後はボロボロ泣いたのですが、その「感想」をツイッターに上げることにかなりの躊躇いがありました。著者が描くことはともかく、それを消費する側――自分――の人間心理は、感動ポルノと何が違うのかしらと。
主観で恐縮ですが、一番怖かったのは「はよ死ねや」と言う人よりも、結末を読んで「悲しんだ」30秒後には、楽しげなツイートを繰り出している大多数の人たちです。しかしそうした感情の切り替えもまた、生きるためには必要なのだと思うと業の深さに唸らされます。
著者のきくちゆうきさんはどんな方なのかしらと、公式HPを観に行きました。バイオグラフィーの一行に、スクロールしていた指が止まりました。

――20歳、悟空であり、一緒にプリクラ撮りに行ったりした友達が事故に遭い亡くなる。
めちゃくちゃ泣く。
数ヶ月落ち込む。
ある時、何か出来ないかと思い、絵をまた描き始めた。

https://studio-kikuchi.com/about/

――衝撃よりも納得が強かったです。
点が線で繋がっていくように、理解できてしまうことが悲しかったです。
どんな経験であれ、物語に昇華する時点で救済はあります。それでも、どうしたって想像します。読者も泣いていますが、一番泣いたのは作者のきくちさんではないのかと。
改めて1日目から読み始め返したら、あまりにも平穏無事なワニくんの毎日に打ちのめされます。
誰だって、いつか自分が死ぬとは解っていても、それが明日であったり、100日後であるなんて知らずに生きていることが大半です。この100日間とそれを追った人の感情、泣いた声は、ワニくんが生きた証です。――あるいは、きくちさんのご友人の。そうであって欲しいです。
文字で書くとありていな「教訓」を脱しえないことが本当に歯がゆいのですが、それでも敢えて書かせてください。
ながらスマフォは危ないです。
横断歩道を渡るときは、たとえ青信号でも、左右に注意してください。子どもは特に。
車を運転する人は、根本的にそれは鉄の塊であり凶器なのだという自覚を、お願いです、持ってください。
それでも事故が起きる時は起きます。
どんなに自分が注意しても、奪う時も、奪われる時も一瞬です。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。この「物語」――を読むことができて、私は幸運です。
あなたにお会いできて、嬉しいです。
きっとまた、明日も元気で、遊びにいらしてくださいね。



書籍化が決定したそうです。無料で毎日更新されていたことがそもそも信じがたいことなのですが、漫画家さんは漫画を描いて食べています。悩みましたが、他にふさわしい紹介の仕方が解らなかったので率直に書きます。この「作品」は面白いです。私は予約購入せずにいられませんでした。


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「自分も物語の世界に飛び込みたい」という方は、とりわけ、大歓迎です。


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