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6年目のDV等支援措置

画像は総務省ホームページより。

こんにちは、紅龍堂書店の久利生杏奈です。
ブログを書くのは実に11ヶ月ぶり。
以前の記事はと読み返したら、印刷会社への私怨にも近い酷い恨み節でしたね。……よりによってこの記事をブログトップに1年近く晒していたのと背筋が冷えるような反省もありつつ、でも後半を読み返すにつれ、初心を忘れたくないなとも噛みしめつつ。
読んで頂いてありがとうございます。

今日は『毒親絶縁の手引き――DV・虐待・ストーカーから逃れて生きるための制度と法律』のクラウドファンディングに先駆けて、編著者の話を少し。
子どもの頃に児童虐待に遭っていて、今は被害から逃れて「ふつう」に生きている大人の話を少し。……少し、なんて軽薄かなと悩んで聞いたところ、「少しでいいよ」と笑われました。「だってつまんないしね」「血も涙も好きな人ならともかくね」。

今更ながら、『毒親絶縁の手引き』の編著は私たち紅龍堂書店が行っています。
メインライティングはDV等支援措置を利用して6年目のライターが務め、サブライターと取材に私と五十嵐が入っています。
スタッフの「誰が」書いている、といった実名や筆名は敢えて一切出さないようにしてきました。「幻想書店」のコンセプトがあるからというのもありますが、それ以上にライター本人の希望でした。「ばれたら死んじゃうからね」。

監修はテミス法律事務所の柴田収弁護士。
校正・校閲は本喫茶わかばの廣田さん。
組版や造本などを行う版元は私たち紅龍堂書店。
そして発売元は瀬谷出版株式会社さん。
「これ以上の布陣はない」という、人にも仕事にも誠実な方々に集まって頂いて、恵まれた本であることを痛感すると同時に、身が引き締まります。

そんな中で今日、メインライターの……と何度も言うのも不自然ですね。仮に柳瀬と呼称します(もちろん仮称)。
柳瀬が警察署に行って、DV等支援措置の更新手続きをしてきました。
曰く、

「なんでクラファン公開を二日後に控えたこんな大事な時に、自分は警察署へ行かなきゃならないんだろう。
人生を邪魔されてる感がすごい。
しかも5月更新の書類が、5月のGW明けに届くって冗談キツい。
税金関係の書類がまとめて連休に届くだけでも腹立つのに、支援措置の書類がよりによって更新期日ギリギリに届くって、それ自体が命を軽んじられてる感じがする。
被害者だってふつうに仕事してる。暇じゃない。
考えて欲しい。5月半ば〆切の書類が5月頭に届くって、土日は1回しかないってこと。しかも土日は警察の生活安全課の窓口が閉まってたりする。
都合つかなかったらどうするんだろう。
自分は自営業だからギリギリなんとかなるけど、会社務めの人なら人生詰む。
更新期日を過ぎたら加害者が情報閲覧できるようになるって明記してる自治体もあるのに、1週間動けない人に1週間以内に手続きしろって、死ねって言うのと何が違うんだろう。
もちろん行政職員さんに悪気がないのは解ってる。
むしろ善処してくださってるのも解ってる。
でもコロナ禍では更新書類が届かなくて、自分は役所まで歩いて取りに行った。
今日は今日で、警察に行ったら
『この新しい不動産の手続きだけどねー、あなたはちゃんと書いてくれてるけど、役所が見落とす可能性があるからねー。我々も書類送るだけだからね。一週間くらい経ったら自分で電話して、ちゃんと閲覧制限かかってるか確認して。これおじさんからのアドバイス』
って言われた。
アドバイスってなんだろう。
アドバイス、って。
マイナンバーカード作るならこういう手続きこそ自動化して「漏れ」を無くせばいいだろうに。
なんだあのアナログ仕様。
なんだあの漏洩件数。
なぜマイナンバーカードのせいで代理人解除やら個人番号指定請求やら医療費通知の閲覧制限やら資格確認書の発行手続きやら手間を増やされねばならない。
なぜ被害者だけが?
昨年と一昨年の更新で面談してくれた警察官はまだ真摯に話を聞いてくれて、そのおかげか2024年以降不動産関係の法律は変わるけど、今年はインボイスとマイナンバーについて伝えても『あっそう』の一言だった。
『あっそう』。
『あっそう』と言い放った警察は白髪のおじいさんで、デジカメの扱いが分からず「あれぇ? 携帯の電話番号撮らなきゃいけないんだけどね、ピント合わないねー」と5分以上てこずっていた。
なんかもう。
もうさ」

伝わってほしい。
これが年に一回だけの「イベント」の話ではないこと。
毎日毎日、脳の警戒アプリを作動し続けるような生活を送っている人間の存在。
それでも加害者に支配され続けながら生きるよりマシだという皮肉(それは決して「幸福」な結末なんていう簡単な話じゃない)
加害者には年一回の更生カウンセリングさえなければ、マイナカードで煩わされる心配もない。何もかも野放しで、被害者だけが負担を強い続けられている現実。
「毒親」なんてずいぶんと柔らかい表現で、蓋を開ければDV虐待ストーカー。
実家? 何それ食べられる? 母の日?

「楽しそうでいいね」。

誇張ではなく命懸けで書かれた本です。でもそれも届かなければ意味がない。
クラウドファンディング、お力添えを頂ければ幸いです。

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公開はいよいよ明日です。
何卒よろしくお願い申し上げます。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。よかったらいつか、紅龍堂書店にも遊びにいらしてくださいね。
あなたと、あなたの大切な人たちの毎日が、どうか穏やかでありますように。

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