シャボン玉です。
こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。
シャボン玉って綺麗ですよね。
幼い頃はよく庭でストローを吹いて、空に虹色のシャボン玉が舞い上がるのを楽しんだものですけれど。いつのまにかシャボン液を作ることもなくなって。それを疑問にも思わなくなって。
今日、外出先から帰って石鹸で手を洗ったら、ふわっと、直径2センチくらいのシャボン玉が生まれたんです。ハッと目で追ってしまいました。屋外でのシャボン玉ならば記憶にありますけれど、おじいさんの家……紅龍堂書店の暗いアンティーク調の店内で、シャボン玉を目にする機会なんて一度もありませんでしたから。ランタンの灯りに照らされて、ダークウォルナットの木材に吸い込まれるように消えていくシャボン玉。不思議な光景でした。
灯りの向こうから声が聞こえてくるようでした。
「ああ、いいね。廊下もシャボン玉もよくある景色だ。でも二つ掛け合わさるとこんなにも非現実的だ。不思議の世界への扉はいつだって、すぐ隣になければ」
……早く帰ってきてくれればいいのですけれどね。あの一瞬を切り取って、箱に詰めてリボンを掛けて、シャボン玉のように空へ飛ばして景康の元へ届けられたらいいですけれど。できませんから。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。とっても嬉しいです。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。
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