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120年ぶりの民法改正で、賃貸契約の内容が大きく変わります。

こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。

今日は久しぶりに大家さんとお話をしました。
先月からお忙しそうにしていたので、何かあったのですかとお尋ねすると、

「あるわよあるわよー、杏奈ちゃんも覚えておいてね。
4月1日から民法が改正されるから、契約書やら覚書きの作成で大忙しだったのよ」
「あらっ、お疲れさまです。何が変わるんですか?」
「大きく三つあるんだけど、一つは敷金。マトモな大家なら関係ないことなんだけど、今まで敷金をああだこうだ理由つけて返さないバカが多かったのよね。そういうのができなくなるわね」
「いいことですね!」
「逆に、煙草のヤニとか自然損耗じゃない修繕費さえ払わずに踏み倒そうとする、借り手のバカも通用しなくなるわね」
「いいことですね?」
「二つ目は、連帯保証人の規定。今までは、借り手が支払いから逃げた場合、連帯保証人に無限に家賃請求できたんだけど、これができなくなるわね。上限を定めなくちゃいけなくなったの。管理会社や大家にもよるけど、だいたい契約期間と同じ2年~3年ぶんくらいがスタンダードになりそうね。保証会社の場合は関係ないんだけど、個人の保証人相手にこの上限設定を怠った場合、保証契約自体が無効になるわ……」
「それは……難しいですね。確かに保証人の方に直接の責任はないとはいえ、大家さんも慈善事業ではないですから、どこかからはお金を徴収しなければなりませんし……」
「そうなのよ、これは本当に難しい。生々しい話、保証人もいい人ばかりじゃないからね。言葉は悪いけど、保証人もグルで、最初から踏み倒す算段をつけてるようなあくどい連中もいるのよ。支払いの催促で携帯に電話してもある日突然解約されてたとか、夜逃げされたなんて話、大家やってると珍しくもなんともないからね」
「ええっ、そんなことが……悪い人が逃げ切れるようになるのはちょっと、嫌ですね」
「そうねぇ。これはアタシもまだ釈然としないのよね。不正に水増し請求してるわけでもなんでもなく、不払い分を取り戻したいだけなのに、それができなくなる可能性があるのはちょっとね。まあでも、普通に考えたら3年も4年も不払いが続くってないけどね、その前に強制退去でしょうし」
「三つ目の変更点は何なのですか?」
「聞いてくれる? これがまたややこしくてねぇ。
トイレとかエアコンとかの設備あるじゃない。あれが壊れた時、すぐに修理できなかった場合、家賃を減額しなきゃいけなくなったのよ」
「えっ、それは……借りてる人は嬉しいですね?」
「そうよねぇ」
「……複雑そうですね?」
「ガイドラインが曖昧なのよ。アタシだっていつも最大限スピーディーに修理してるわよ? でも例えば台風19号の時とか、どう頑張っても業者が手いっぱいで手配できない時ってあるのよ。そういう時とかどうなるのか、始まってみないと分からないのよね…… 大家と連絡が取れなかったり、『火急』の要件は借り手が勝手に修理することも可能になったんだけど、常識外のリフォームをされて後から異常な請求が来ても困るし……そう考えると、入居の時点で慎重に見極めるしかなくなっていくのが嫌なのよ。アタシは可能な限り、誰にでも部屋を貸したいから。それでなくても門戸の狭い人の入口が、偏見でより狭められなければいいけど……。120年ぶりの法改正、裁判の判例が一個もないところからのスタートだと大変ね。具体的にどの設備がどうなった時、日割で何%みたいに数字で示されてるならいいんだけど、一個もないし」
「ええっ、ガイドライン無いのですか!?」
「あると思う? コロナウイルスの社会保障に和牛商品券にするか魚介商品券にするか揉めてるようなバカがその辺抜かりなく用意してると思う?」
「…………」
「仕方なし、公益社団法人日本賃貸住宅管理協会の『サブリース住宅原賃貸借契約書(改訂版)』が基準になりそうな感じだけど、どうなるのかしらねぇ」

み、民法……
明治29年以来の改正、成立は2017年5月、施行が今年なのでむしろ遅いくらいなのでしょうが、それにしては内容が……
最後まで読んで頂いてありがとうございます。とっても嬉しいです。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。

大家さんが千葉県市川市で入居者募集をしています。
「初月家賃無料、ペットもルームシェアも単身高齢者もLGBTQも外国籍も生活保護も前科持ちも当たり前にOK」だそうです。詳しいことはリンクからご確認くださいませ。
「自分も物語の世界に飛び込みたい」という方は、とりわけ、大歓迎です。


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