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『マーベラス・ミセス・メイゼル』が面白いです。1958年代のアメリカよりも遅れている日本……?

こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。

Amazon.co.jpに苦言を呈した矢先で恐縮ですが、面白いドラマもたっくさんあります!
私が最近視聴したのは『マーベラス・ミセス・メイゼル』

まず時代が面白いです。
舞台は1958年代のアメリカ。主人公が上流階級の女性なので、住んでいるマンションやインテリア、服装や街並みを見るだけでも気分が高揚します。
全てが華やかなのですよね。
トランプ氏が選挙のスローガンで「Make America Great Again」としきりに叫んでいましたが、まさに彼の感覚でいうところの「アメリカがグレイトだった頃」。日本に当てはめると1960年代の高度経済成長期、バブル期のようなものでしょうか。

白人にとっては「古き良きアメリカ」ですが、黒人や女性からしてみれば生きづらい時代でした。

当時は男性優位が当たり前で、主人公のミッジは夫のために尽くす「完璧」な女性。しかしこの夫が典型的なダメ男で……
と書きながら、60年前でも「ダメ男のテンプレート」というのは変わっていないのですね、という部分が興味深かったです。1958年のアメリカの物語なのですが、「あれ? 今でもこういう男性、大勢いますよね……?」と感じる描写がたくさんありました(苦笑)

片や、「さすがアメリカ、先進的ですね」と感じたのは、育児。

日本は、とにかくお母さん一人の負担が大きすぎて、ノイローゼのようになってしまうことも少なくないですよね。
でもアメリカは、1958年時点で、お手伝いさんに丸投げしても誰からも文句一つ言われません。家に母親がいなくても、「誰か」が面倒を見ていればそれでOK。その「誰か」は身内である必要すらなく、知人や友人、ベビーシッターなどその時々で変わります。
それでも子どもはすくすく育っていきます。
ミッジは母親ですが、趣味のエクササイズに行ったり、漫談家として巡業をこなしていくのですが、驚くほど「家のこと」は障害になりません。
何度も言いますが、1958年の話です。

賛否両論あると思いますが、私は、現代日本の息苦しさの元と言いますか、「苦労してるほうが偉い」という風潮はおかしいと思うのですよね。
「親なんだから我慢しろ」、というあの空気。
「一人の子どもを育てるには、村全員の努力が必要だ」というのはネイティブ・アメリカンの名言ですが、社会福祉や学校、職場、政治など様々な要件が整って初めて、「親も我慢しなくていい」子育てが可能になるのだと、アメリカのドラマを見ていると痛感させられます。
そして根本的に――これ、凄く難しいのですけど――親がいなくても、「誰か」に育てられれば、子どもって勝手に大人になるのですよね。

かくいう私も、両親は農家で一日中家にいないことが大半でしたから、実は「親に育てて貰った」という感覚があまりありません。
ご飯は、農作業のバイトさんが作って下さることが大半でしたし、遊び相手もほとんどバイトさんでした。
物心ついてからは、紅龍堂で一人遊びをする時間が増えました。
全く寂しくなかったと言えば嘘になりますが、むしろ、親「だけ」に育てられなかったおかげで、世界が広がったような気がしています。バイトさんや、紅龍堂のお客さまは、年齢も属性もバラバラですから。
皮肉な話ですが、「親が絶対ではない」と知る絶好の環境だったと思っています。

そんなことを、視聴しながら思い出す作品でした。
例によって、ネタバレ回避のために内容には一切触れずにおきます(苦笑)
ざっくりあらすじだけお話すると、
「夫に尽くすのが女性の生き方だった時代、ニューヨーク、コメディアンになるユダヤ人シングルマザーの物語」です。
主人公のミッジを演じるレイチェル・ブロズナハン女史の演技が素晴らしく、2018年にエミー賞、また2018年と2019年の2年連続でゴールデン・グローブ賞コメディ部門主演女優賞を受賞しています。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。とっても嬉しいです。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。

大家さんが千葉県市川市で入居者募集をしています。
「初月家賃無料、ペットもルームシェアも単身高齢者もLGBTQも外国籍も生活保護も前科持ちも当たり前にOK」だそうです。詳しいことはリンクからご確認くださいませ。
「自分も物語の世界に飛び込みたい」という方は、とりわけ、大歓迎です。


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