綿柎開(わたのはなしべひらく)
こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。
「夏って死を連想させるものが多いよね」
畑作業の途中で、Mちゃんが唐突に言いました。
「終戦記念日があるからかな。お盆があるからかな。なんで夏なんだろう。イメージとしては冬のほうが寒いし暗いのに。夏のほうがしんみりするよね」
私はと言えば、熟れ落ちた野菜をまとめて鍬ですき込んだところでしたから、「捨てるからじゃない?」と浪漫のない返事をしてしまいました。「夏って腐るのが早いから」
「うん解るよ農家は死と無縁ではいられないよね。品質の悪いものはざっくざく捨てるからね。病害虫だって殺すしね。今年だけで何度オオタバコガの幼虫の頭をもいだか数えきれな――思い出させないでよぉ! 私が言いたいのはそういう事じゃなくって、」
「ヒグラシとかお囃子とか線香花火の落ちる瞬間みたいなこと?」
「解っててわざと私のトラウマを抉ったの?」
「あ、Mちゃんそこ、カメムシ」
「滅殺!」
平和ですね。眩暈がするほどに。
二十四節気では立秋も終わり、処暑という季節に入っています。処は「止まる」の意味。暑さが和らいでくる頃という意味です。
七十二候では、23日~27日までが「綿柎開(わたのはなしべひらく)」。
久利生家では稲作の他、もっぱら食べられる野菜を育てていますから縁がないのですが、九月に入れば綿花の収穫期です。
……と同時に、台風も近づいてきますから油断なりません。
この時期、各地で風祭りが執り行われるのは、二百十日(立春から数えて210日目)に、風雨順和と五穀豊穣を祈願するため。
あなたが信じている、風の神様の名前はなんですか。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。とっても嬉しいです。きっとまた、遊びにいらしてくださいね。
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