杏奈の休日
この5年間、ほとんど杏奈がひとりでブログを書いてきた。
ときどき五十嵐や柳瀬が顔を出したり、総合旅程管理主任者のスタッフが登場したり。五年前には大家さんや旅人さんも遊びに来ていた。あの頃は、楽しくいろんな人が出入りしていた。
それが、いつのまにか時事の話題が増えていった。
ゆっくり書く時間も取れなくなった。
日増しに血生臭くなる世界情勢を横目に、SNSに場所を移した。
5年の間にコロナが人間を襲った。ロシアがウクライナを襲った。ミャンマーで内戦が激化し、アフガニスタンの危機も悪化した。スーダンでも戦争が始まった。イスラエルがガザを襲って、アメリカとイスラエルがイランを襲った。
国内では保険証が「廃止」された(資格確認証は浸透している? どうだろう)。命に関わるDV等支援措置の運用も変化した。2022年に戦略三文書が決定された。それから5年も経たない今、石油の備蓄が放出された。
急坂を転げ落ちるような「変化」だ。
どうしていつも現実に即さないことばかり起きるのだろうと思いながら、私は何も知らない。
きっと何か理由があるはずと、本に理由を探すことにも限界を感じながら、他に方法も知らない。
杏奈が「SNSを控えたい」と言った。
「ブログも休む?」と尋ねたら、曖昧に苦笑していた。休みたいというのとも少し違うらしい。
「他の場所で、試してみたいことがあるんです」。
それもそうかと頷いた。
この場所を始めた当初は、ここしかなかったのだ。それがSNSに移って、SNSも様変わりして、どうしようねと頭を悩ませながら、今は紙の道を模索している。
紙は辛抱強いからね。
今日の一冊は『アンネの日記』。
Paper is more patient than people.
参考図書
- アンネ・フランク『アンネの日記 増補改訂版』深町眞理子訳、文春文庫
この記事へのコメントはありません。