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Xのサブスクリプションを解約した

「笑顔があふれますように」。
ホームページの改装作業中、ブログアーカイブのキャッチフレーズが目に留まって、しばらく手が止まってしまった。SNSを見て最後に笑ったのはいつだろう。

Xのサブスクリプションを解約した

『毒親絶縁の手引き』という書籍のクラウドファンディングのため購入した「認証」だった。
三年間、さまざまな変化を見てきたけれど、先日解約を申し込んだ。解約引き止めの40%割引オファーも表示されたけれど、そのまま見送ることにした。契約は5月29日付けで終了した。

SNSから距離を置こうと決めてから、気づけば半年以上が過ぎていた。告知など最低限の運用だけに留めようと試してはみたものの、真冬の選挙のような出来事があれば「知らせなければ」と焦るし、誤情報が流れていれば「正さなければ」と気が急く。X(旧Twitter)では約6,200人(※4月現在。このブログも草稿から公開までに一ヶ月以上経ってしまった)の方が紅龍堂書店をフォローしてくださっている。まだお役に立てることはないかなと悪あがきのように細々と続けてきたけれど、最近、私の思い込みだなと思うようになった。

人が透明化されていく

最近の投稿では、フォロワー約6,200人(※4月現在)に対して、インプレッションはおよそ350、反応は「いいね」やRTを合わせて5件ほどになる。フォロワー数を基準にすると約0.08%。表示回数に対する反応率で見れば約1.4%。
数字がすべてだとは思わない。
前記の5名の方々には言葉では言い尽くせないほど感謝している。SNSをやめても、ご縁が続くと信じられる方々だ。
ただ一方で、紅龍堂書店は商業出版レーベルのため、広報という観点で考えると数字を無視するわけにもいかない。2022年11月から2023年5月までの半年間、試験的にGoogle広告に出稿した『王の庭師』(旧版)の数字と比較した。

Google検索9.57%

実施期間

2022年11月~2023年5月

成果

  • 表示回数 114,706
  • クリック数 2,066
  • 平均クリック単価 ¥4
  • 費用 ¥7,851
  • クリック率 1.8%
    1. Google検索 9.57%
    2. 検索パートナー 2.15%
    3. Googleディスプレイネットワーク 1.69%

内訳を見ると、Google検索では9.57%、検索パートナー2.15%、ディスプレイネットワーク1.69%。
広告のクリック率は媒体や配信面によって大きく変わるため、同列に並べることはできないけれど、それでも費用と表示回数を日割りにしてみると、違いの輪郭は見えてくる。

Google広告は約180日運用したため、1日あたりの費用は約44円。Xプレミアムは年額10,280円なので、1日あたり約28円。一見するとXのほうが安価。けれど表示回数まで日割りにすると印象が変わる。Google広告は1日平均で約630回表示され、約11回クリック。一方、Xでは1投稿が1週間で350表示、反応5件ほどなので、日割りにすると1日あたり約50表示、約0.7件の反応。
費用差は1.5倍程度に過ぎないのに、表示数、行動数ともに十数倍の差。
しかもGoogle広告は、広告費を投じて初めて届く不特定多数への表示なのに対して、Xは、過去の発信に何らかの関心を持ってフォローしてくださった6,200人に向けた投稿。それでこの数字。
作業量の問題もある。Google広告は一度キャンペーンを作成すれば、あとは微調整を重ねるだけで運用できるけれど、Xは投稿内容を考え続けなければならない。
そこには、誤情報の海を渡る精神的摩滅もつきまとう。

数字優位のSNSは「民主的」なのか

Xの中にはフォロワー数を伸ばし続けている方もいる。
私たちも書き方を変えれば、多くの方と繋がれる「可能性」があることは理解はしている。
ただ、Xの推薦システムはユーザーの反応・エンゲージメントをもとに投稿を順位付けする設計だと公開されている。とりわけ政治や社会的な話題については、強い感情や対立を含む投稿ほど拡散されやすい傾向が各種研究で指摘されている。
断定。強い感情。対立。
そうした言葉を重ねてまで「数」を可視化したいか。アルゴリズムに最適化された「繋がり」に、信頼が生まれる余地はあるのか。
疑問を感じたまま書き続けることは苦痛だなと感じるうちに、自動翻訳機能が搭載された。
正確性は担保されていない。

今日の1冊は、デイヴィッド・パトリカラコス『140字の戦争』。

参考図書

  • ケヴィン・ケリー『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』NHK出版
  • オードリー・タン, E・グレン・ワイル『PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来』ライツ社
  • デイヴィッド・パトリカラコス『140字の戦争――SNSが戦場を変えた』早川書房
  • スティーブン・レビツキー, ダニエル・ジブラット共著『民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道』新潮社
  • 杓谷 匠, 田中広樹, 宮里茉莉奈『いちばんやさしいはじめてのGoogle広告の教本 人気講師が教える運用型広告の基礎と実践』インプレス

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