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米澤穂信『巴里マカロンの謎』、子どもがお菓子を食べる幸せ

こんにちは、紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。

確定申告を終えて、久しぶりに小説を読みました。
米澤穂信さんの小市民シリーズ、なんと11年ぶりの新作。ネタバレを回避して書くのでどうしても観念的な感想にならざるをえないのですが、一つだけどうしても、自分のための備忘録として。
子どもがお菓子を食べる姿は、幸せな気持ちになりますね。
子どもが好きなものを好きなだけ楽しめる世界は、決して当たり前ではないということを、まさか小説を読んで痛感する日が来るとは思いませんでした。
私だけかもしれませんが、読みながら思い出したのは国内の貧困率の高さですし、子ども食堂ですし、7人に1人はお腹いっぱいごはんを食べることもできないという現実です。
虚構の「甘さ」のすぐ裏に、腐敗臭の漂う政治。
ページを捲っていても集中できないと申しますか、もしかするとこんな幸せなシーンは、もう小説でしか読めないのかしらという絶望感と隣り合わせの「感動」だと気づいて愕然としました。
政治と言えば、私は昨今のコンテンツ業界の「量産される少年少女」にも違和感を抱いています。書かれている人物が本当に「少年少女」なら良いのですが、描いているのは時代遅れなジェンダー感を引きずった作者というケースも残念ながら少なくないですから、こう……少年少女というよりも、「少女を消費したい少年時代を引きずったおじさん目線」を嗅ぎ取ってしまって気持ち悪いな、と抵抗を覚える作品が増えていたのですよね。
そんな中、硬派のジャーナリズム色の強い作品を書くようになっていた米澤氏が、なぜ急に11年ぶりに高校生を主人公に書く気になったのかしらと不思議だったのですが、読んで腑に落ちました。
小市民シリーズは特に、世の中を斜に構えて視ている達観した二人組が主人公ですから、ことさら「大人」との書き分けの難易度が高いはずなのですが、さすがの職人芸。
ラストシーンの優しいこと。
「子どもはこうでなくちゃ」という信念のようなものを感じました。決して押し付けではなく、良い意味で、米澤さんの老成した優しさ、大人としての責任感、未来への眼差しを感じたようで涙が出ました。
このバトンをしっかり受け取って、私も次に生かしていかなければなりませんね。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。とっても嬉しいです。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。




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