大家さん無双
こんにちは、真面目一辺倒が取り得の紅龍堂書店(くりゅうどうしょてん)の久利生杏奈(くりゅうあんな)です。ぅっ。
あれはまだ、HPを開設して間もない頃のことでした……
逆流性食道炎で倒れて、大家さんと旅人さんがtwitterとブログ更新を手伝って下さったのですが、回復して久しぶりにログインするとフォロワーさんが急増し、大家さん人気が爆発していました。
羨ましいのでインタビューしてみました。
「大家さん、ご相談があります」
「あら光栄ね?」
「正直、twitterの中の人担当は、もうずっと大家さんのほうがいいのではないかと思い始めています……」
「ダメよ」
「なぜですか!?」
「よく考えて? 確かにアタシは景康さんのことを昔っからよく知ってるし紅龍堂とは家族同然の仲だし、隠しきれない魅力が爆発したイイ女よ。でもね、アタシって大味なのよ。例えるならそう、カレーとナポリタンとポークカツがワンプレートに収まった長崎のご当地グルメ、トルコライスのようなもの……」
「豪勢で素敵じゃないですか」
「毎日食べたらたぶん成人病になるわよ」
「食べたぶん運動をすれば基礎体力も向上して一石二鳥ですっ」
「杏奈ちゃん、落ち着いて。twitterは筋トレじゃないわ」
「筋トレ報告してるアカウントもたくさん見かけます」
「筋トレから離れましょうね」
「私……個性がないのでしょうか……」
実は幼少期からの悩みなので、つい深刻な口調で尋ねてしまいました。すると大家さんはふっと優しく微笑んで、言いました。
「ねえ杏奈ちゃん。今、コロナウイルスで世の中が大変なことになっているけど、一番偉いのは誰だと思う?」
「え? それは……」
「安倍ではないわよね」
「私は何も言ってません」
「マリーアキエトワネットもそろそろギロチン台が見えてくる頃よね」
「大家さん? 検閲って知ってます?」
「まあ、日頃国民から40%も税金を毟り取っておきながら、休業補償も考えないまま自粛《要請》、責任丸投げて文句が飛んで来れば、仕方ねえからって舐め腐った態度でこの期に及んでお肉券だとかお魚券だとか『家にいろ』って言った口で『お外でお買い物しましょうチケット』を配ろうとする脳みそお花畑の利権モンスター自民公明維新のゴミクズどもは置いとくとして――」
「解りました! 大丈夫です、大家さんがツイッターをやったらどういう事態になるかだいたい解りましたからあの」
「今どき配給券って北朝鮮も顔負けよねぇ」
「大家さああああああああああああああああん!!!」
「自粛《要請》するならさっさと現金給付すればいいだけのことを、予備費も株の買い占めに使ったあげく3兆円の含み損を出すような日銀の黒田総裁も大概にし――」
「大家さんお願いですこれ以上は私の寿命が」
「そこがおかしいのよ、メディアは何やってるんだって思わない? 政治が腐れば諫めるのが仕事でしょうに、いつのまにかNHKなんて首相の朝令暮改も平気で目を瞑って肯定的に垂れ流す従僕に成り下がってるし」
「局名……涙」
「twitter社の笹本も絶望的に時代が見えてないのよねぇ」
「大家さあああああああああああああああああああああああん!!!!」
「『Twitterカンバセーションマーケティング』って本あるじゃない、杏奈ちゃんも勉強のために読んでたやつ。ほら、巻末の特別対談を閉じた後、『twitterジャパン代表取締役は男尊女卑なのですね、海外から白い目で見られていることに気づけていない、傲慢な方だということがなんとなく解りました、反面教師にします……』ってドン引きしてたあの本――」
「飛び火! 大家さんこれはもう飛び火です、炎上します……!」
「最近、なんにも悪いことしてないのにやたら凍結されてるアカウントが増えてるのってたぶん検閲よねー」
「大家さああああん! 紅龍堂が凍結されます、大家さ、大家さあああああああ!!!!」
「検閲で思い出したけど、Amazon.co.jpもヤバいのよねぇ。プライムオリジナルコンテンツで一番視聴されてるのって、良くも悪くもあの下世話な番組『バチェラー・ジャパン』なんだろうけど、」
「大家さん? 日本で生きていけなくなりますよ??」
「森友問題に切り込んだ文春オンラインがね、『バチェラー・ジャパン』の制作方法もコンプライアンス違反だって暴いたんだけど、そのことを景康さんがレビューで追記しようとしたら」
「えっ景康!? おじいさん『バチェラー・ジャパン』なんて観てたんですか??」
「景康さんは時代に敏感だから、若者受けする作品は良くも悪くも好きも嫌いも関係なく一通りチェックする人よ。杏奈ちゃんもそうよね?」
「そ、そうですけど、」
「景康さんがレビューで人権侵害を指摘したら、その箇所だけ削除されたのよね」
「!?」
「これがまた納得のオチなんだけど、Amazonプライムは外資だと思ってたら、制作は安倍との癒着で悪名高い吉本の関連会社YDクリエイションだったのよねぇ」
「…………」
「杏奈ちゃん?」
「……すみません、真剣に凹んでました。四面楚歌なのですね……twitter社がリテラシーの欠片もない日本青年会議所と提携した時点で、言論弾圧が始まることはなんとなく解ってましたけど、Amazonもだなんて……これから日本はどうなってしまうのでしょうか」
「大丈夫よ」
「え……?」
「杏奈ちゃんがいるじゃない」
「――――」
「アタシはね、好き放題言うけど、それだけなのよ。アタシは、杏奈ちゃんが相手だから安心して話してるの。でも杏奈ちゃんは、世間に向けて書くじゃない」
「それは……大家さんが、書いてもいいと言って下さるから」
「でも書くと決めてるのはあなた。槍が飛んでくるのもあなた。
不特定多数の、顔も見えない誰かに、あなたが書いてる。
本当だったら、子どもの頃から引っ込み思案でその割に変に尖ってて景康さんそっくりで友達少なくてやっとできたと思っても大人のお客さんで紅龍堂にこもりっきりでロックかボーカロイドばっか聴いてた杏奈ちゃんが――」
「大家さああああああああああああああああああああああああああああああ」
「それでも、勇気を振り絞って書いてることを、アタシは知ってる」
「大家さん……」
「最初の話に戻るけどね。アタシ、一番偉いのは、見えないところで頑張ってる人だと思うのよ。人が見てるところでちゃんとするのは簡単なのよ。でも今、コロナの感染爆発からこの国を守ってるのは、誰も知らない、人が見てないところで、トイレを衛生的に保ってくれてる清掃スタッフさんとか、介護士の方とか、スーパーの棚に食品を並べてくれてる人とか、レジ打ちに立って下さる方とか、そういう人たちだと思うのよ」
「――はい」
「杏奈ちゃんも、誰も見てなかったときから、黙々とブログ書いてきたじゃない」
「それは……自分のためですから」
「紅龍堂のためよね」
「――――」
「そして紅龍堂は、誰かに笑ってほしいから物語を作る。
それにしても安倍、早く逮捕されないかしら」
「大家さあああああああああああああああああああああああああああん!!!」
最後まで読んで頂いて――
今日も支えて頂いて、ありがとうございます。
私が大家さんに助けられていることはご覧の通りなのですが、こうして、大家さんの楽しいお話を書いていられるのは、あなたのおかげです。
あなたが、読んでくださるから。
そのことに、私がどれほど救われているか。
いつもありがとうございます。
きっとまた、遊びにいらしてくださいね。
「初月家賃無料、ペットもルームシェアも単身高齢者もLGBTQも外国籍も生活保護も前科持ちも当たり前にOK」だそうです。詳しいことはリンクからご確認くださいませ。
「自分も物語の世界に飛び込みたい」という方は、とりわけ、大歓迎です。
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